1/ 2
http://www.jcr.co.jp
15- D- 0054 201 5 年 4 月 2 2 日
株式会社日本格付研究所(J C R)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
北海道ガ
ス
株式会社
(証券コード:9534)【据置】
長期発行体格付 A
格付の見通し 安定的
債券格付 A
発行登録債予備格付 A
国内CP格付 J−1
■ 格付事由
(1) 札幌、小樽、千歳、函館、北見を主な供給区域とする都市ガス会社で、北海道における業界の主導的立場
にある。供給区域の産業特性から需要構成は商業用が約 4 割と高い。原料は石油資源開発の勇払ガス田で
産出される国産天然ガスのほか、L NG を東京ガスから購入している。なお、同ガス田の生産量減少に伴
い、現在では石狩 L NG 基地による調達が中心となっている。
(2) ガス販売量は新規需要開発の進捗もあり工業用を中心に増加基調にある。今後も L NG タンク増設や導管
投資を含めた供給インフラ整備に伴う減価償却費などのコスト増加が見込まれる。ただし、新規需要開発
や経営効率化を着実に進めることにより、ガス事業を中心に比較的安定した収益を維持できる見通しであ
る。財務面では設備投資のピークアウトに伴い有利子負債が緩やかながらも減少に転じるなど、おおむね
想定内の動きとなっている。なお、ガスシステム改革の今後の進展には留意が必要だが、現在は当面の詳
細制度設計の進捗を見定める段階にある。以上より、格付を据え置き、見通しを安定的とした。
(3) 石狩 L NG基地では16 年 9 月の運転開始を目指してL NG 2 号タンクの建設を進めている。これにより、
道内の需要増加に対応する体制が整うほか、同基地の運営効率化も期待できる。供給区域を含めて道内で
は灯油からの燃料転換余地が大きいことから、供給体制整備が需要増加に結び付きやすい面がある。原料
面では、非在来型天然ガスの受け入れも視野に調達の多様化を図る方針である。なお、総合エネルギー企
業化に向けた取り組みが中期的な課題となる中、当社は小売りも含めた電力事業に参入する方針である。
この一環として、苫小牧バイオマス発電への出資を行うとともに、伊藤忠エネクスおよび王子ホールディ
ングスの子会社と電力ビジネスに関する共同検討を開始した。
(4) 14年 12月末の自己資本比率は 26.1%と同年 3月末比でほぼ横ばいの推移となった。16/ 3期も比較的高
水準の投資が続く計画だが、L NG 2 号タンク完成後は大型投資が一巡する見込みであり、財務体質が改善
に向かうとみている。ただし、自社発電所建設などの大型投資案件が今後具体化した場合には、財務面に
及ぼす影響などを慎重に見定める必要がある。
(担当)殿村 成信・古川 聖治 ■ 格付対象
発行体:北海道ガス株式会社
【据置】
対象 格付 見通し
長期発行体格付 A 安定的
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
第 10 回無担保社債(社債間限定同 順位特約付)
60 億円 2009 年 12 月 22 日 2016 年 12 月 22 日 1. 10% A 第 11 回無担保社債(社債間限定同
順位特約付)
50 億円 2011 年 9 月 5 日 2021 年 9 月 3 日 1. 238% A 第 12 回無担保社債(社債間限定同
順位特約付)
2/ 2
http://www.jcr.co.jp
対象 発行額 発行日 償還期日 利率 格付
第 13 回無担保社債(社債間限定同 順位特約付)
50 億円 2013 年 12 月 19 日 2020 年 12 月 18 日 0. 554% A 120%コールオプション条項付第 3 回
無担保転換社債型新株予約権付社債 (転換価額下方修正条項及び転換社 債型新株予約権付社債間限定同順位 特約付)
50 億円 2012 年 9 月 25 日 2017 年 9 月 25 日 0. 15% A
対象 発行予定額 発行予定期間 予備格付
発行登録債 300 億円 2013 年 10 月 11 日から 2 年間 A
対象 発行限度額 格付
コマーシャルペーパー 200 億円 J - 1
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2015 年 4 月 17 日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:島田 卓郎
主任格付アナリスト:殿村 成信
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、J C R のホームページ(http:/ / www. jcr. co. jp)の「格付方針等」に「信用格付の種類
と記号の定義」(2014 年 1 月 6 日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本 件 信 用 格 付の 付 与 にか か る方 法 の 概 要 は、 J C R の ホ ー ムペ ー ジ ( http:/ / www. jcr. co. jp) の 「 格 付 方針 等 」 に 、
「コーポレート等の信用格付方法」(2014 年 11 月 7 日)、「都市ガス」(2011 年 12 月 7 日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) 北海道ガス株式会社
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての J C R の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、J C R が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・ 格付関係者が提供した監査済財務諸表
・ 格付関係者が提供した業績、経営方針などに関する資料および説明
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
J C R は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
独立監査人による監査、発行体もしくは中立的な機関による対外公表、または担当格付アナリストによる検証など、
当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情報として利用した。
9. J C R に対して直近 1 年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、J C Rが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、J C Rは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、J C Rは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。J C R は、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、J C Rの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。J C Rの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。J C Rの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、J C Rが保有しています。J C Rの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、J C R に無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■用語解説
予備格付:予備格付とは、格付対象の重要な発行条件が確定していない段階で予備的な評価として付与する格付です。発行条件が確定した場合には 当該条件を確認し改めて格付を付与しますが、発行条件の内容等によっては、当該格付の水準は予備格付の水準と異なることがあります。
■NR S R O 登録状況
J C R は、米国証券取引委員会の定める NRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating O rganization)の 5 つの信用格付クラスのうち、以下の 4 クラ スに登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。
■ 本件に関するお問い合わせ先